水鶏と書いて、クイナと読む

工房の裏はフクロウも鳴く鬱蒼とした森でしたが、今年の梅雨明け頃から巨大な重機が音をたてて木々をなぎ倒していき、ご覧のような姿に変わり果ててしまった。
真夏の猛暑日にもかかわらず、バルーンのように膨らんだ空調服を着た作業員の人達が、毎日毎日仕事をしていたのが印象的だった。


昨年の工事と、今年の工事の境目。

フレコンバックの土嚢で上流の水を堰き止めて、ポンプで汲み上げた水をはるばる塩ビ缶で繋いで下流に戻したバイパスの終点。

水が流れて泡ぶくになっている場所に黒い水鳥がやってくるようになった。
どうやらそこがジェットバスのようになってお気に入りらしく、場所取り合戦なのか早朝から鳴き声がして、最近はこれが目覚まし代わりになっている。
一体どこからやってくるのかさっぱり見当もつかないのだが、多い時は10羽以上の群れをなしてやってくる。

勝手にカモだと思い込んでいましたが、図鑑で調べると水辺に住む鶏に似た鳥、クイナ科のオオバンとのことでした。
人馴れしているわけでもないが警戒心があまりなく、近くと涼しい顔でスイスイ逃げていく。

フェンスの上にはセグロセキレイ。
水面で頻発するオオバンたちのしょうもない内輪揉めをすまし顔で高みの見物。

清流に住むと言われる、空飛ぶ宝石

工房のすぐ裏には、原野と呼ばれる鬱蒼とした手付かずの森が広がっていて、その真ん中を貫くように農業用の用水路がありました。
水があふれたことなど一度もありませんでしたが、老朽化に伴い、あるいは地方救済のための公共事業か、おそらくいちばんは地域の人が安心してお米をつくれるようにするためのインフラ整備のため、千葉県が主導する水路の拡張工事がいよいよ始まりました。
工事が着工するまでには何年くらいかかったでしょうか、森をなしていたヤブニッケイやハゼ、クロマツ、コナラやイヌマキなどの樹々は大型粉砕機によりチップとなり、法務局にある古い地積測量図をもとにあらためて測量をして、地主さんとの用地の分筆と合筆(私も協力しました)、何かあった時のための証拠として家屋調査もしっかりとして、原っぱになった場所には子供が大喜びしそうなクレーンやパワーショベル、ダンプカーにローラーが次々と勢ぞろいしました。
水の工事なので施工を担当した責任者は何度も菓子折りを持参し、雨が降った翌日はもちろん、休日の朝からも現場をよく見て回っていたのがとても印象的だった。
朝の8時から断続的に続く音と振動はあんまり考えないようにしていましたが、夕方5時には必ず静かになるのでホッとしたのを覚えています。

長く続いた工事も終わり簡単な柵も出来上がって、窓からの景色はすっかり変わり果てたのですが、柵の上に青い鳥をみかけるようになり、ひょっとして、、、と思い図鑑で調べてみると、清流に住むと言われる空飛ぶ宝石、カワセミでした。
警戒心が強いのか、せわしなくじつにすばしっこい動きで、興味本位で近づいてゆくとすぐに逃げてゆく。

手持ちのカメラで目一杯拡大してみる。
バードウォッチング用の双眼鏡やフィールドスコープ、はたまた木工とは全く関係のない望遠レンズが欲しくなってくる。
カワセミと聞けば、山の渓流に住んでいるイメージなのに、海の近くにも生息しているのが不思議といえば不思議です。
それにしても、気まぐれな野鳥や野生動物の姿をドラマチックに撮影するカメラマンの辛抱強さと情熱は、自分がカメラを構えてみるとわかるのですが並大抵のものではないことがよくわかります。

川面を見つめているのでなく、川の中を泳いでいる魚を狙っている様子。

弾丸のように川へダイブして一瞬で小魚を捕まえます。
しばらく鳥を観察していると、だいたい一度の食事で3匹か4匹ほどハンティングして、そしてまたどこかへ飛んでゆきます。

カワセミが見つめていた水面。
おいおい、どこが清流なんだよと突っこみたくなる、ヘドロが沈んでいるような濁流。
あとでカワセミちゃん、お腹下してなければいいんだけど。

オニユリと蝶、ブルーベリーの不作

荒地のような庭に元気よく咲いているオニユリの蜜を吸いに、黒い蝶がヒラヒラとやってきます。

後ろばねが痛んでますが、クロアゲハのメスでしょうか?
花粉まみれになって、動きはいかにもせわしないです。

毎年ボウルに山盛り収穫できるブルーベリーですが、今年は梅雨も短く夏の暑さが厳しいせいか、実が熟す前に実が干からびてシワシワになってきました。
人が水をあげなきゃ育たないような軟弱な植物はいらない!と思ってみたりするけれど、せっかく貰ったものだし大事にしなくてはとも思う。
やはり水をあげたほうがいいのだろうか?

野うさぎちゃん

夜も更けて一日もすっかり終わり、さてもう寝るかと布団に入ってしばらくすると、
突然二匹のケモノが激しくいさかい合い、地面をのたうち回る音に目が覚めることがある。
しばらく声を荒げて争ったのちに、どちらか一方が断末魔の叫びを何度か発したのち、あたりは何事もなかったようにシンと静寂になる。

おいおい、ワイルド過ぎるだろ。
何だよ、、、今の声。

と、こんなことが日常的にあります。
仕事場の周囲には原野が広がっていて、たぬきやヘビが闊歩する田舎なのですが、ひょっとしてあの声はうさぎちゃん?
うさぎを仕留められるより大きな野生動物って、何だ?

日が落ちて暗くなりかけた頃に、スイバの柔らかい茎の部分を夢中で食べているところ。
面白がって近づこうとすると、一目散に逃げてゆく。

ムクゲとカマキリ

むくげ

ご近所の方からの強い勧めで、昨年挿し木をしたムクゲ。
鉢まで頂いた。

ガーデニングなんて心の余裕がなきゃできないと思っていたけれど、
花が咲いたら咲いたで甲斐甲斐しく水などあげてみたりする。
あまりにも殺風景な工房に、何か花でもあったほうがいいよと言っていただいた気がする。

よく見てみると、真ん中にきみどり色の虫が、、、。

カマキリ

じっとして動かない脱皮したばかりのカマキリ。
水分を含んだ透き通った羽が、ただ風にそよいでいるだけ。
夏の終わりのひとこま。