2017年買ってよかったモノ

何かつくる時にはいつだって道具が必要ですが、とりわけ買い替えのスピードが上がっている電動工具の世界にあって、コードレスの充電工具は充電池も充電器もどんどん増えていくし、おまけに価格も安くないので購入を考えるときはいつも躊躇してしまうのだが、昨年知り合いの大工さんに勧められて、ものは試しとばかりに充電式のブロワーを買ってみた。

木工という仕事はひたすらゴミの出る仕事で、あっという間に木屑がそこらじゅうに散らかってしまうのだが、どちらかといえば吹き飛ばせるほどの軽いゴミなので、仕事がひと段落したらさっと吹いてしまって、箒とチリトリでまとめてしまえば案外きれいになってしまう。
コードレスで手軽に取り回せる道具ということもあり、エアダスターを使っていた時よりも、比較的まめに掃除をするようになった。

18ボルト、3アンペアワーの充電池では多少パワー不足で、おまけにすぐ電池が切れてしまうが、しんどい作業でも自分が気持ちよく仕事できる環境を整える道具として一役買ってくれているので、些細なモノですがこれは今年買ってよかった道具だ。
来年は倍の充電容量の巨大なおにぎりほどの充電池も狙っている。ブロワー本体が二つも買える金額だが、果たしてメーカーの術中にまんまとハマっているのだろうか?おそらくハマっているのだろう。

電動工具を使ったことのある人ならきっとわかる、連続で作動させたい時に右手の親指で押し込む「あの」ボタンをなぜ付けてくれなかった!
かっこ悪いけど、紐を取り付けてトリガーが引きっぱなしになるように、ささやかな工夫をした。

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漆のうつわ展

漆の仕事をされている野田とし子さんから展覧会のご案内をいただきました。
昨年から少しづつ仕事をいただいて、微力ながら木地の制作をお手伝いいたしました。
納品や打ち合わせのたびに、漆の工房があるご自宅まで伺うのですが、気付けばお付き合いも20年近くになってしまうと、勝手知ったる我が家のような図々しい振る舞いになってきますが、いつも変わらず寛容な心で食事や布団を用意してくださいました。

「野田とし子 漆のうつわ展」

会期 / 平成29年12月6日(水)〜12日(火)最終日は午後5時閉場
会場 / 日本橋三越本店 本館6階 美術サロン

祈りのかたち、仏壇の制作

北米産のクルミ、ウォールナット。
板ごとの色味の違いがあり過ぎて、最後まで悩まされた。

やはり一本の太い丸太から必要な部材を全部揃えられたらスッキリするのだが、大きい木の仕事はなんだかんだと悩みながらするしかない気もする。

観音扉の蝶番、ナイフヒンジは海外からお取り寄せ。
ちなみに日本の金物メーカー、スガツネが販売しているこの手の蝶番はBRUSSOよりも高価でカッコ悪いのに肝心のピボットの精度まで悪いんだから、もうどうしようもないです。

扉を止めるキャッチラッチ。
中にコイルスプリングを入れています。
インドネシアのローズウッド、ソノケリン。

中段の抽斗はつくるのに時間がかかるのでしばらく封印していた禁断のダブテイル。
側板と底板はオニグルミ。

下段の引き出しはスライドレールですが、表からレールが見えると無粋なので底板に取り付ける仕様。
側板と底板はウォールナット無塗装。

制作中の舞台裏。
普段はほとんど使わないスライドレールですが、やはりというべきか、なんともメカニックです。

くるみの小机

ピン。

テイル。

マイターブラインドダブテイル。
もしくは、かくしありがたくみつぎ。

いずれにしても、伝統と誇りを持って使われている仕口か、、、。

古式ゆかしい接着剤、にかわ。
国産の三千本膠はその後どうなったのでしょうか?

1日水に浸して、その後に湯煎。
膠も研究しよう。

接着して、鉋かけて、#320番でペーパーがけ。

オイル。

時間がない中での仕事でした。

帯状疱疹、その後

わりと早めに抗ウイルス薬を飲み始めていたにもかかわらず、背中のちょっとした虫刺されのような発疹からあっという間に手のひらをいっぱいに広げた大きさになり、それからどういうわけか右側に勢力を拡大して脇腹へと進み、四、五日後にはなんと「みぞおち」にまで達し!右半分の胴体部分は大きなサメに何度も噛み付かれたような状態になってしまった。
最初はまだ我慢できるほどの痛みで、病気になったことを言い訳にして開き直って本など読んでいた。

ところが、診察から10日ほど経過したあたりだろうか、火傷した時の皮膚がヒリヒリする痛みと、何か鋭利なもので刺すような神経痛がいよいよ激しくなり、右腕を動かすたびに背中がもう痛くて痛くて、処方してもらった疼痛時に服用するカロナール錠を飲んでも全く効き目がなかった。そのうち発疹の終着点である胸部からの神経痛も始まり、背中、胸、ヒリヒリ、背中、痛い、、、。
一日中ひっきりなしで襲う痛みに何もできなくて、泣きつくように黒縁メガネの女医さんのもとへ駆け込み、トラムセット配合錠(強い痛み止め)を処方してもらったのだが、これがおそらく合わなかった。
オピオイドという麻薬の成分が入っている薬らしいのですが、痛みが本当に緩和されているのか、もしくはプラシーボ効果で効いているつもりになっているのか、イマイチよくわからない感じで、そのうち胃腸や内臓も弱って食欲もすっかりなくなり、食べていないのに吐き気まで催すようになり、命を落とす重篤な病気を疑うようになってしまった。
帯状疱疹はその不吉な前触れに過ぎないのではないかと。

この頃は気持ちも落ち込んで自信もなくし、今更ながら病室で過ごす人の気持ちもわかるようになり、まあとにかく痛くて何をするのも億劫で起きている時間よりも寝ている時間の方が長かった。
幸い6月は天気も良くて明るく過ごしやすかったせいで、超スローぺースでやりながらもどうにか生き延びることができ、ありがたいことに注文の座卓が出来上がっていないことを説明すると、現金で前払いしてくださった方もいた。なんといってもしんどい痛みよりも自分の気持ちが後ろ向きになるのが一番辛かったかもしれません。

日にち薬なんて言葉があるけれど、散々悩まされ続けたしつこい神経痛も、ひと月以上経過した今ではほどんどなくなり、散発的に思い出したように背中が痛むと、
ああ、そういえばこんな痛みだったな、、、。
と、一生に一度だけと言われる病気だけに、今は懐かしいような愛おしいような気持ちになる。
けっきょく、過労とかストレスとか頑張りすぎが原因らしいけれど、そんなこと言っても頑張らなきゃ仕方ないだろと思う気持ちに何ら変わりはなく、自分の人生を諦めるわけじゃないけれど、精一杯やった先に何か大きな障害が待ち受けていたとしても、こればっかりはもう仕方ないと思う。

なにはともあれ、、、自分が思っているほど人は自分のことを思っていないとわかっているものの、心配して連絡をくれる方が何人もいました。
目覚ましい回復とは決して言える状態ではありませんが、少しは元気になってます。