
無垢材を用いて広い面をつくりたい時は、一般的には框組みと呼ばれる建具で使われるような構造にすることが多いでしょうか。
今回は一枚の板のような雰囲気で、しかもほどんど伸縮しない自家製の集成材で広い面をつくります。
まず細長く小割りにした材をハギ合わせて、集成材の芯をくつる。
この状態ですでに反りやねじれを殺した寄せ板が出来上がります。注意点としては何回かに分けて少しずつ少しづつ接着していかないと、ボンドがヌルヌルと滑って必要な厚みが確保できずに、もう一度やり直しなんてことになりかねない。
既成品のベニヤを芯に使わない選択は、手間も時間も膨大にかかってしまうが、間違いのないつくりになる。

さらに積層させるための挽き割った薄板を用意し、繊維方向を縦横で直交させて、先程の芯に接着する準備をする。

右が接着した芯材。ちょっと杢が出すぎているだろうか。左がさらに用意した最終的な仕上げ材。

仕上げ、芯、仕上げの順で、縦、横、縦の5プライの集成材をつくる。
表に見える挽き板は、木目を厳選してクセのない自然な見え方のものを用意。
ベニヤづくりは単調だけれど楽しい仕事。

つづいて箱の制作。
あらかた板を製材したした状態。
天板と側板の接合部分は45度の留め加工を計画しているため、せっかくだから木目がつながったきれいな仕上げを目指して長い板から部材を木取りしていく。

油断していなくてもチェリーはすぐに焦げる。

メジャーで測るとちょうど300ミリ。北米材だったら幅広のものはまだまだ潤沢にあるだろうか。
天然素材を切り刻む者の心構えとして、材料を贅沢に使うのは有りだけれど、無駄に使うのはダメだと思っている。