
制作過程をだいぶ飛ばし、ひととおり組み立てを終えて裏板とフレームの内側加工まで済んだところ。

いつだったか自作した曲線用の罫引き。
内アール、外アール兼用と欲張ったせいか、無骨さは否めない。

色の濃い材料を扱う場合、普通の鉛筆では墨線が見えないことが多く、白の硬質色鉛筆を好んで使っていたのだが、しかし、、、

この三菱鉛筆7700、なんと赤色以外2021年に原材料調達の問題を理由に生産中止。
当たり前にあって愛用していたものがいつの間にやらなくなっていたので、何か代替えできそうなものをいろいろ調べてみると、あの白鳥マークのスタビロが「平らなものであれば何にでも書ける。」のふれこみでタフな色えんぴつを力強く販売していた。さすがドイツという印象だ。
早速注文して試しに使ってみようとしたものの、ちょっと待てよ。
鉛筆などという文化の底支えをする道具を作れなくなっているこの状況って、一体何ごとだろうか。わざわざ外国製の硬い色鉛筆を使うことにどこか釈然としない部分もないことはないが、しかし思い返してみれば、自分はユニよりずっとステッドラーだった。
まあとにかく、何も考えずに早くスタビロを買ってみよう。

と、いうわけで、
くり抜いたフレームの内側をならい型にして、5mmオフセットベアリングをセットして、段欠き加工。

カタチがかたちだけに、木の繊維が断ち切れて木口状態になっている継ぎ手箇所が機械加工における一番の危険ポイントで、上コロビットの一発加工では危険すぎることもあり、何度かに分けてトリマーで少しづつ落として最終加工に移った。ちょうど雇いの3枚で組んだような仕口であることも手伝ってか、いつもより神経をつかった。

内側の加工が出来上がったら、こんどは一番最初に作ったMDF型を基準に、フレームの外側を加工する型を制作。
ハンドルーターの左の取っ手はクランプの邪魔になることが多く、いつだったかイライラして何の躊躇もなく捨てた。

こんどは40mm テンプレートに3/8″スリーエイス 8mm軸ビットで仕上げ。

その後ルーターテーブルに移り、下コロビットを取り付けてフレームの外側を加工。
エキゾチックな香りのする樹脂を多く含んだ木は、削りクズすら木材らしからぬ表情になるのは、その油分ゆえか。

先ほど切り抜いたコンパネの型を下にして、ビットに取り付けてあるベアリングに沿わせ外側を仕上げる。内側の段欠き加工同様、繊維が切れている継ぎ手箇所は要注意。

加工前と、加工後。
こうしてみると、自分のやっていることは製材された板の状態からさらに半分近くの材料をゴミとして捨てる仕事なんだとつくづく感じる。