ベンチの制作。
材料はミズメ。硬くもなく、柔らかくもなく、カバノキ科なのにサクサク鉋がかかって扱いやすい木だ。
長手方向で約2メートルあり、人が座っても座面が垂れてこないように6本脚になっている。
脚部と貫の接合部はデンマークの巨匠ハンス・ウェグナーの椅子によく見られる定番の収まりですが、一点ものだと治具を制作して、試し加工をして、微調整して、これを何度か繰り返したのちに本番加工に移るので、ひどく時間がかかってしまう。
全体のバランスを見て感覚的に決めた貫の厚みと同じ径のルータービットだって必要だ。
制作中の一コマ
仮組みして、吸い付き桟の両端が平ホゾになっているので、上から落として接着する構造。
漆の仕事をするときは毎回ベニヤで適当に間に合わせて、随分なおざりにしてきた定盤ですが、今回ちゃんとしたものをつくろうと思い立ち、まずはヒノキの小割で芯をつくり、、、
厚突きのポプラを芯の繊維方向と直交させて貼り合わせ、その上に仕上げ材のナラをサンドイッチして天板をつくる。
自分でつくるベニヤですね。
作業台の上でサビを練ったりする仕事なので、結局金属の仕事で使うようなかたちにした。
木地固めしてみる。
側を石畳組み継ぎしてみたものの、天板との接合部がかえって複雑になってしまった。
留めにしたほうがスッキリしたと思う。
さあ、これから制作したベンチの大きさに合わせた風呂をつくって、どんな天気であっても湿度と温度のコントロールができる状態になるまであらゆる準備が必要だ。
3月になって随分春らしくはなってきているけれど、昼と夜の寒暖差もあるので、漆の美しい仕上がりを求めるならば、やはり神経は使う。
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