薪焚き人が思うストーブ

2シーズン分くらいの薪だろうか。これ全部タダです。
チェーンソーの燃料代とオイル代、それに家まで運ぶためのちょっぴりのガソリン代がかかるだけ。でもこんなにたくさんあると一人じゃどうにもこうにも埒があきません。運ぶだけでも大変なのに、玉切りして、薪にして、保管して、、、ストーブにくべるまでを考えたら相当の労力を要する作業で気が遠くなってきます。

一昨年の冬、工房にストーブを設置した時に心配していたのは、この海の近くで薪が確保できるかどうかでした。ところが実際はもう頭の上からバラバラと降ってくるように薪が集まってきます。なんといっても房総半島は田舎なのです。邪魔になった木の処分に困っている人はたくさんいます。

さて、こうなってくると今持っているダルマストーブじゃなくて、集めた薪をじっくり効率よく燃やしてくれる高性能のストーブが欲しくなってくる。煙突も頻繁に掃除しなくていい二重の太いものがいい。
ところがですよ、残念なことに日本で売られているストーブのほとんどは北米やヨーロッパの洒落た製品ばかりで、別荘を持っているようなお金持ちを相手にしているせいかどうかわかりませんが、何と現地で売られている3倍くらいの値段でショールームに並んでいるのです。しかも平然と。何故?
その疑問に気づくきっかけは、5年前のアメリカでした。

僕はかれこれ10年くらいストーブを物色しているので、いいなあ、ほしいなあと思うストーブがいくつも頭の中にありした。その時たまたま近所にあるDIYショップ、エースハードウェアに何かを買いに行った矢先、店に置いてあったバーモントキャスティングの一番小さいストーブ、アスペンを偶然見つけたのでした。これだったら20万円以上するはずだと思っていたのですが、値札を見ると何とたったの799ドル!だったのです。一瞬目の前の数字を疑いました。何かの悪い冗談のようにも見えて、しばらく立ちすくんでしまったくらいです。
「、、、、そ、そんな。」
それでも小売店のエースは儲かるんだから、いったい日本の代理店はお幾ら万円ぼったくっていたのですか?とすぐさま思いました。

この件に関しては僕自身いまだに疑問で、海外で製造された重いストーブを日本で売れば3倍くらいになるんだとあっさり言われても、どうにも納得がいきません。逆の場合、つまり日本で製造されたものが、海外でそんなかたちで売られているものが果たしてあるでしょうか。これは考えれば考えるほど腹が立つ問題で、商品がストーブだけに余計にヒートアップしてきます。まさか江戸時代に黒船が来て以来の不平等な条約がまだ生きていたりするのでしょうか。まあそんなばすはないでしょうが、だぶん手を汚さないで右から左にものを動かして富を得る人がたくさん群がっているだけなのでしょう。
このやり場のない、言ってみれば腹の中で拳をプルプルと震わせている無駄ないらいらをスッキリさせるには、もっと物流のことを勉強して清濁を見極めるか、それとも小規模でこつこつオシャレで高性能なストーブを作っている人を国内で探すしか方法はないようです。

これはハンコックシェーカービレッジにある、アイロン掛け部屋のストーブ。
煙の排出がとても悪そうだけど、生活に必要なものを自分達で作る、労働のある簡素な暮らし。やっぱりそうこなくっちゃ。

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