仕事始まってます。

材料を刻み始めるにあたり、まず一番に取り掛かる仕事。
鼻切りといいます。
砂が噛んでいることが前提の木口ですので、赤いスプレー部分はもったいないと感じるかもしれませんが切り落とします。
この作業をせずにそのまま機械に入れると一度で刃物がダメになるからです。

切り落とした木口をよく見る。
表には見えない木口割れがまだ入っていないかどうか確認したり、木の生育過程や硬さ、色味といった木味(きあじ)がわかるので必ず確認します。

小型丸ノコもコードレスの時代へと移り変わってゆくのでしょうか。
誤ってコードを切断して仕事が中断することはなくなると思いますが、便利さと引き換えに何を失っていくのか見極めないといけない。メーカーの囲い込み作戦に巻き込まれたくない気持ち半分、充電池を買い続けることが果たして明るい未来なのか疑問半分のままです。

天気の良い日、西日が差し込む午後5時過ぎ。
木目を見て、白太の具合を見て、実際に部材として取れるかどうか、取れたとしてもそれが全体のなかで調和を欠いていないかどうか、天然ものであるがゆえに素材との対話が欠かせない。
夏至に向かってだんだんと日が長くなってきました。

昨年末の仕事

何もしていないのに、あっという間に2月が終わろうとしている。
忙しかったのだろうか記憶があまり無い。まさか流行のウイルスに感染したわけでもあるまいし、疲れ果てていたのかヤル気が起きなかったのか、いずれにしても仕事が少し落ち着いたので、少しずつ制作したものをアップしていこう。

写真は昨年末に納品した鬼胡桃のダイニングテーブル。制作の途中経過も少し紹介したでしょうか。
自分がつくったテーブルよりまず先に目に留まるのは、デンマークの巨匠、ハンス・ウェグナーの有名な椅子、コードネームはCH-24、通称Yチェア。その向かいにある2脚は同じくハンス・ウェグナーのCH-23。両方共に今を遡ること70年前にこの世に産み落とされた名作だ。デザインした本人がすでにこの世を去ってもなお、世代を超えて営々とつくられ続けている木の椅子であり、デンマークの自国の経済はもとより国境を超えて海を超えて、世界にあまねく質の良い豊かさを届けるなんて果たしてこれ以上のことがあるのでしょうか。ものづくりは額に汗して手を汚して何かを一生懸命につくることも大事だけれど、やはり本当に価値のあるものは創造力なんだと改めて思い知らされる。

さて、そんな巨匠のつくったものに比べるといかにも自分の仕事が小さく見えてくるが、テーブルはご覧の通り長手方向に6脚の椅子を並べて座れる大きさになっていて、天板は一寸五分の長尺板目の板をハギ合わせて38ミリ程度の厚みに仕上がったでしょうか。幕板の内部に天板反り止め用の吸い付き桟が入っています。
ご主人の希望で、どっしりとしたボリュームのある脚部と、余計なかたちをつくることはせずにシンプルなものにして欲しいと、デザインを決める過程で私とお客さまとのやり取りが何度かあり、最終的なかたちになった。
制作するにあたってはサイズが大きいので取り回しが大変だったことと、材料の裏に小節が少しあり、それをどう扱うかで時間がかかった。
ただ、クルミは家具用材の中では比較的柔らかく加工が容易で、とくに難しい箇所はなかった思う。

テーブル制作を依頼したお客様との出会いのきっかけは、ご主人の奥さんが僕の後輩というご縁で声をかけていただいた。
もうかれこれ20年近く前の古い話になるのですが、私は母校の大学で木工研究室の助手という立場で働いていて、彼女はそのときの学生でした。

怒られるかな、この写真。
当時の木工専攻の学生と先生と講師の面々。
インターネットにおける無自覚な写真掲載は思わぬところで思わぬ結果を招く危険が潜んでいますが、20年も経てばすっかり別人に変わり果てる人もきっといるだろうから、もう大丈夫でしょうか。
右下にいる赤いチャイナドレスを着た女装の男の左。

卒業後に何かの機会で再会したとき、写真家の都築響一さんと一緒にカラオケに行ったことを熱く語っていたのを鮮明に覚えている。
あの時は編集の仕事をしていたんでしたっけ?
あれから19年。
その後、今のご主人と出会って二人の元気な男の子にも恵まれて、自宅を新築したきっかけで、かつての知り合いにわざわざ声をかけてくれました。
学生と助手の関係なんて立場も役割も全く違っていて、実際はそんなに歳が離れていなくても両者のあいだにある溝は深かったと思うし、自分自身も割り切れないと感じながらもどこかで一線を引いていた。
ところが中には珍しい人もいて、当時の立場や関係を軽快にすっ飛ばして、20年という歳月もたった2ヶ月くらいに見なしてさわやかに連絡をくれる人もいる。
ありがたい話である。

時間がかかってお待たせしてばかりでしたが、出来る限り誠実につくりました。
でも、あんまり神経質にならないで、ホットプレートを置いて焼肉してもいいし、酔っ払って赤ワインこぼしたっていいし、なにより家族や友人とテールブを囲んで楽しい時間を過ごして下さい。
嬉しい時も悲しい時も、人生にそっと寄り添うようなテーブルであればいいなぁと願っています。

水鶏と書いて、クイナと読む

工房の裏はフクロウも鳴く鬱蒼とした森でしたが、今年の梅雨明け頃から巨大な重機が音をたてて木々をなぎ倒していき、ご覧のような姿に変わり果ててしまった。
真夏の猛暑日にもかかわらず、バルーンのように膨らんだ空調服を着た作業員の人達が、毎日毎日仕事をしていたのが印象的だった。


昨年の工事と、今年の工事の境目。

フレコンバックの土嚢で上流の水を堰き止めて、ポンプで汲み上げた水をはるばる塩ビ缶で繋いで下流に戻したバイパスの終点。

水が流れて泡ぶくになっている場所に黒い水鳥がやってくるようになった。
どうやらそこがジェットバスのようになってお気に入りらしく、場所取り合戦なのか早朝から鳴き声がして、最近はこれが目覚まし代わりになっている。
一体どこからやってくるのかさっぱり見当もつかないのだが、多い時は10羽以上の群れをなしてやってくる。

勝手にカモだと思い込んでいましたが、図鑑で調べると水辺に住む鶏に似た鳥、クイナ科のオオバンとのことでした。
人馴れしているわけでもないが警戒心があまりなく、近くと涼しい顔でスイスイ逃げていく。

フェンスの上にはセグロセキレイ。
水面で頻発するオオバンたちのしょうもない内輪揉めをすまし顔で高みの見物。

突然壊れたパソコン、さよならマックブック

買い換え時に下取りを申し込むと最大いくら値引き!だなんて、ホームページで大々的に宣伝しているにもかかわらず、いざ下取りをお願いしたらゼロ円だなんて人をおちょくるのもいい加減にしてくれ。もう金輪際リンゴマークとはおさらばだ!と、はじめは怒り心頭に発していましたが、冷静になって考え直してみれば図面も書類もウインドウズで一からつくり直すのは相当骨の折れる作業だし、だいいちそんな時間あるかな?と思い直し、今使っているソフトやデータをそのまま使えるのはマックしかないという事実を仕方なく受け入れることにした。
中古でも構わないので、もう一度同じノートを買うことも考えたのだが、二つほど気に入らないことがあり、その一つは液晶モニターだった。

買ってからすぐの段階で早々に気付いたのだが、モニターを見続けていると目の奥が痛くなってくるのだ。おそらく金属を溶接する時のアークを直視した時のような可視光の青光(ブルーライト)が出ているのだろう、何か人体に有害な光にばく露していることはほぼ間違いない。このパソコンに限って言えば特に痛くなるので、ブルーライトカットの眼鏡も買ったりしたのだが、いちいち眼鏡をかけることの煩わしさや、メガネ越しにモニターを凝視すると文字などの像がわずかにずれてぼんやりすることなど、それはそれで気になることもあった。とにかく最小限の明るさで事務作業しようといつも気にかけていたにもかかわらず、目が痛くなる問題は最後の最後まで解決に至らなかった。
それともうひとつ。
どこにでも持ち運べるのがノートパソコンの最大の強みであり、wifiが繋がる所であればインターネットさえも出来るパソコンではあったけれど、自分にとってはこの利点が逆に裏目に出て、夜中にダラダラと寝転がってインターネットテレビの将棋中継を見るようになった。
もともとテレビのない生活をずっとしてきたところに図らずもテレビのようなものが突然見られる環境になり、目が痛いのにパソコンを閉じる頃には自己嫌悪に陥ることもしばしばあった。別に天才中学生棋士が勝とうが負けようが自分には一切関係ないことなのに、布団に入ってからも勝負のゆくえが気になって、変な姿勢で見ているせいか肩凝りまでひどくなった。このままでは自分の人生まで奪われるようで、金輪際ノートはやめよう!と決心して、修理もせずにPCリサイクルに出すことにした。

まるで買ってきたばかりのよう。

ダンボールも大事に取ってありました。

どんなかたちでリサイクルされるのか、最後まで見届けたい気持ちもありますが、適切に取り扱われることを信じて郵送した。
買い換えて一年半の電源アダプターは、もったいないのでヤフオクに出品して、寛大な人に有効活用してもらった。

まずは手持ちのiPodを操作してアップルのホームページ下にある「整備済製品&旧モデル新品」をチェックした。中古のマックミニを買って、モニターは目に優しい質の良いものを買う計画だ。しかし、旧モデルといっても決して安くなっているわけではなく、メモリもハードディスクも盛りに盛って販売しているので、新しいマックミニと値段が変わらないか、もしくは高いのである。おいおい、どこまで貪婪な会社なんだ。呆れるを通り越して嫌悪感すらある。
いくらなんでも1テラバイトのハードディスクなんて自分には必要ない。同じような金額ならいっそ新しいものにしようと考え、オンラインストアで最下位グレードのマックミニを買った。

上に物が置けるように簡単な箱をつくった

今度はモニターをどうするかがもう一つの選択になるのだが、今現在メインで使っている17インチのモニターはなんと16年前に買ったもので、一度メーカーに修理をお願いしたら、使用時間が短いという理由で無償で直してもらったことがある。今どきそんな会社あるだろうか?新品同様になって帰ってきたモニターに嬉しくなって、また次回購入する時はこのメーカーだなと考えていた。

昔はナナオという会社の製品

画面の真ん中にモヤのようなものと、物理的に画面の端っこをぶつけた傷くらい。
モニターの寿命ってだいだい何年くらいなのでしょうか

そんなわけで今回買ったのが、ブルーライトを68%もカットするという23インチのモニター。
そのうち慣れると思うが16:9のアスペクト比が最近の主流なのでしょうか、かなり横長の印象だ。

キーボードも他社製

マジックマウス?いらない。マジックトラックパッド?いらない。モノを大事に使おうとする弱者を冷酷に切り捨てるアップル製品はなるべく避けて、第三国の製品でうまくやってゆくことに意地になっている気がしないでもないが、時価総額100兆円の亡者に今までたくさんお布施してきた。
パソコンが突然壊れてすったもんだして、とりあえずではあるが何とか一件落着したけれど、必要経費だと割り切って次々と買い換えることなど到底できない。比較の対象ではないことは十分わかっているのだが、木工機械や手工具などは手を入れればしっかりと応えてくれるモノとの距離感や、その関係の塩梅が身体感覚として染み付いている人間にとって、パソコン関係のモノとの付き合い方がいちいち納得できないのだ。
ひとつ困ったのは、自分のホームページを自分で管理しているのだが、パソコンが丸ごと変わってしまったのでスタイルシートであるsassをコンパイルできなくなり、一体何から始めたらいいのかすっかり忘れてしまい夜な夜なジタバタしてしまった。