帯鋸のゴム車

工房にあるバンドソー で木材を挽き割っている途中、突然機関銃のような音がしたので慌ててスイッチを切ると、なんとゴム車のゴムが欠けてしまっている。
木っ端が挟まったのか、はたまた連日の暑さでゴムが柔らかくなりすぎていたのか、それともいわゆる加水分解というやつでゴムの寿命が尽きたのか、あるいはウレタンゴムっぽい質がそもそも良くなかったのか、鋸刃を外して重い車輪も外し、しばらく呆然と眺めていると、帯鋸が使えないことと、修理にお金がかかることと、二つの現実を同時を突きつけられて血の気が引いていくのがわかった。

どんな場合でも下を向いていては問題の解決はないので、早速ゴム車の修理をお願いするのですが、12年前に中古のバンドソー を買った機械屋さんはまさかの廃業。研磨機を買ったり修理などお願いしていた近所の機械屋さんもすでに廃業。もうなんだかやりきれない気持ちになる。
木材加工に携わる人達の現実はちっとも甘くないのは十分わかっているのですが、それでも頑張って続けている機械屋さんにお願いして、ゴムの巻き替え作業をお願いすることになった。

もうこうなったら「バンドソー なし」でつくるしかないと、380ミリのチップソーを昇降盤に取り付けてみるも、やはり届かないものは届かない。いっそのこと大きな縦挽きのノコギリを調達して、富嶽三十六景の遠江山中を現代でやるしかないのかしらん?と、半分冗談で考えてみたりもする。
機械が使えなくなって改めて思うのは、昔の人って肉体も精神も現代人とは比べものにならないくらい強靭であったと(絵が過剰にデフォルメされていることを差し引いたとしても)つくづく感じる。

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オニユリと蝶、ブルーベリーの不作

荒地のような庭に元気よく咲いているオニユリの蜜を吸いに、黒い蝶がヒラヒラとやってきます。

後ろばねが痛んでますが、クロアゲハのメスでしょうか?
花粉まみれになって、動きはいかにもせわしないです。

毎年ボウルに山盛り収穫できるブルーベリーですが、今年は梅雨も短く夏の暑さが厳しいせいか、実が熟す前に実が干からびてシワシワになってきました。
人が水をあげなきゃ育たないような軟弱な植物はいらない!と思ってみたりするけれど、せっかく貰ったものだし大事にしなくてはとも思う。
やはり水をあげたほうがいいのだろうか?

リンゴマーク、あれこれ

つい先日のこと、京都にある接着剤屋さんにインターネットでボンドの注文をしている時、ノートパソコンに電気を供給する四角いプラスチックの部品から電線がショートするような「パチパチッ、ジジッ、、」と実に嫌な音がした。
あれ?と思い充電状態を知らせるLEDのランプを見ると、案の定消えている。気のせいかもしれないが、何か焦げたような不吉な匂いもした。ひょっとしてパソコンが壊れたのか、それとも電源アダプターが壊れたのか瞬時には判別できなかったのだが、コンセントを押しても引いてもランプが点かない。
給電が出来ないのだから充電池が切れたらパソコンがそれっきりになる。

電気を節約するためにノートパソコンを閉じて、メインで使っている古いデスクトップパソコンを立ち上げて、何のサポートもしなくなった古いブラウザでリンゴマークのアップルストアを覗いてみる。
もたつく挙動になんとか対応機種の充電用電源アダプターを見つけるが、驚いたことに税別ひとつ8,800円もするので卒倒しそうになった。ただのコンセントなのに、、、。
あらためて気持ちを切り替えて、今度はジェフ・ベゾス率いる帝国、アマゾンでサードパーティー製の代替え品がないかどうか根気強く調べてみると、なんと純正品と較べて1/5程度の値段で売られている商品もあり、おいおい、林檎ボッタクリだろ!と腹が立ってしまった。

困ったな、、、従順なリンゴ信者になって純正品を買うべきか、それとも安かろう悪かろうのどこぞの国でつくっているのかもわからないバッタもんを勇者のように買うか、、、なるべくお高いリンゴは避けようとパソコンの周辺機器は非リンゴで貫いてうまくやってきたのだが、よせばいいのに悩みに悩んだ。
しかし悩んでいても一向に物事は進展しないので、強気な値段だけどしょうがない、何かあった時の一年保証付きの純正品を結局アップルストアにひとつ注文した。
木工機械を自分で修理して電源につなぐ時の電気の恐ろしさを知ってしまったのも、その理由の一つでしょうか。

サブで使うパソコンとはいえ、インターネットがないとやっぱり不便だよなぁとぼんやり思いながら過ごしていたのだが、驚いたことに注文をした翌日の午前9時過ぎにはヤマトのいつものお姉さんが届けてくれた。異常なスピードである。
注文から24時間も待たずに自分の手元に届くのが当たり前だなんて思いたくない。

新しく届いたものであっけなく充電できるようになり、使えなくなったパーツを意味もなくバラしてみる。
充電中はかなり熱を発するのだが、基盤がアルミの遮熱板に包まれて、中はスシ詰め状態だ。半田付けした部品がグラグラしないように堅いシリコンで隙間を充填しながら固定されている箇所もある。
悲しいかな何の部品か一つとしてわからないのだが、一時が万事、パソコンも電話の中身もこんな風に細かいパーツでギッシリ詰まっているのだろう。

基盤の裏側。
遥か海の向こうで誰かが設計をして、そのまた遥か海の向こうの大陸で誰かがつくっていて(細かい作業ご苦労様です、、、)そのまた向かいの島の人間が、いびつに歪んだ世界だと思いながら能天気に200匁の玄能で叩いて割っている。

漆の仕事を振り返る

木裏からプレーナーをかける。
多少のねじれがあるので、ストレートエッジで傾きを確認しながら平面を出してゆく。

なるべく板の長さを優先するため、落としきれなかった木口割れを手当てする。
裏側から板厚の1/2〜2/3ほど彫り込み、蝶ネクタイ型のチギリを入れる。

旋盤のみ。

親指ほどの太さのスピンドルガウジがいつも足りないと感じているので、今度こそは買うと決めた!
いっぽう一番大きいスクレーパーの出番は、残念ながらほとんどない。

中には削っている途中で節っぽい箇所も出てきますが、これは使えません。

真ん中の脚部は通しほぞにしたので、現物でバランスを見ながら図面よりも少し太めの直径にした。
胴付き部分の深さは浅いところで約2ミリ。

摺り漆をして、出来上がり。

あんまり重苦しくならないように心がけて手を動かしていても、
やはりというべきか、角度を変えて見れば摺り重ねた漆が醸し出す独特の腰の重さというか、存在にぐっと厚みが出る。
ひと言でいうと、重厚だ。

最後の仕上げ用にと用意した日本産の生正味漆200gチューブもあっという間に使い切るような大きさでした。

続 漆の仕事

艶も上がってきて素晴らしい木目が現れてきたのだか、ここは木目ではなく、やはり杢(モク)というべきなのだろう。
木の繊維に光沢がある樹種は特に顕著なのだが、見る角度によって妖しく光を反射して、摺り漆が木の魅力を最大限に引き出してくれる。
自分で仕事していてバカみたいだが、うっとりするような恍惚感に浸る瞬間がある。

研いで、塗って、拭き取って、そして乾かして。
文字にすると、たったそれだけの事なのに、入り組んだ箇所が多いと想像以上に時間がかかる。
とにかく、清潔感のある仕上がりを心がけよう。